誰からも愛され、歌舞伎界を支えていた18代中村勘三郎さんが亡くなった。
享年57歳だった。
あまりにも早すぎる死に、関係者だけじゃなく、多くのファンも悲しみにくれた。
歌舞伎の興味がなかった人たちを歌舞伎に向けることが出来た功績は大きい。
一昨年の暮れに突発性難聴で緊急入院。
9ヶ月休養することになった。
勘三郎さんの舞台生活で、舞台を休んだことはなかった。
復帰後の昨年11月から5ヶ月間、江戸時代の芝居小屋を感じさせる「平成中村座」のロングラン公演を成功させた。
ニューヨーク公演でも好評だった舞台だ。
しかし、6月に食道がんが見つかり7月27日に手術。
12時間にわたる手術だったが、早期発見で、翌日には、病室を20メートルも歩いたという情報も流れた。
後は、じっくり休養して「長男・勘太郎(31)の襲名興行で復帰」と、関係者は思っていた。
そこにもたらされた病院転院の知らせ。
11月中旬だった。
転院先の病院での集中治療室生活。
人工肺を装着している状況だとも。
あの報道から19日。
芝居が好きで、人が好きで、お酒が好きで、ゴルフ・女性が好きだった勘三郎さんは、惜しまれて、あっけなくこの世を去った。
来春の新しくなった歌舞伎座のこけら落としに出演することもなく。
ああ、合掌。
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